04
ガタ…と机を動かす。
なんか目茶苦茶緊張するんだが。
教師が戻ってきて授業が再開された。
比較的適当な教師で、寝てる奴やら内職してる奴はいっぱいいる。
白神さんは一言も言葉を発することなく黒板に視線を向けていた。
そうしているうちにプリントが配られた。
今日の授業内容の復習プリントで、忘れ物とはこれのことだったらしい。
終わり次第提出したら残りの時間は自由に過ごしていいらしい。
授業を聞いてなかった奴らの焦ったように教科書をめくる音が響いていた。
(あ、やべ。ここわかんねえな。教科書、めくって大丈夫か?)
確認するように視線を向けると、白神さんはプリントではなく窓の外に目を向けていた。
(うわ、プリント全部埋まってる…。早…)
教科書のページをめくると、気配を感じたのか白神さんがこちらを向いた。
「あ、ごめんなさい。プリント終わったから、教科書大丈夫です。ありがとうございました。」
「あ、はい」
お礼を言われて慌てて頭をさげると、白神さんはプリントを手にして教卓に提出しに行った。
(………白神さんと、喋ったんだよな)
凜とした後ろ姿を眺めていると、クラスの奴らが全員白神さんを見つめているのがわかった。
埋め終わった自分のプリントを手にして、帰ってきた白神さんとすれ違うように席を立った。
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