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しかし、ここからが私の第二の人生のスタートでした。
幕を閉じた、と思った直後には誰かが顔を覗きこんでいたんです。
目に飛び込んだのは白衣を着た看護士らしき人。
もしかして助かった?と疑問に思ったのは一瞬でした。
事故で運ばれた病院にしてはおかしい点がいくつか。
壁は白ではなくピンクがかっていて、あちらこちらにキャラクターが描かれていました。
隣を向けば自分の寝ているベッドより遥かに大きなベッドに横になっている女性。
恐る恐る自分の手を目の前まで運んで理解しました。
私は生まれ変わったのだと。
生まれ変わるって話はよく聞くものでしたが、こんなに死んですぐなるものなのでしょうか?
天国やら地獄やらをある程度経験した後におこるものだと思っていました。
前世の記憶がある点については、まあいいでしょう。
昔テレビで見たことがありますが、生まれたばかりの赤ん坊には前世の記憶があって、喋ることができるようになる頃には忘れてしまっているそうです。
なので生まれた赤ん坊に
「あなたは昔誰だったの?」
と聞き続ければ、喋れるようになった時にも覚えているのだとか。
まあそんなことをわざわざする親なんて滅多にいないでしょうから、私も忘れてしまうでしょう。
さようなら、前世の私。
……そう思っていたんですけどね。
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