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03


「どうしよう…」
「あら、そんなに洋服広げてどこかに出かけるの?」
「うん…誰かと私服で出かけるなんて初めてだから全然わかんなくて」


3日の朝。クローゼットの中を部屋中に全部広げていると、お母さんから声をかけられた。


「ふーん…、デートなのね」
「え!?ち、違うよっ」
「出かけるのジャッカル君じゃないの?」
「そ、そうだけど…」


なんでこの人はこんなに察しがいいんでしょうか。なんというか、余裕というかからかわれているというか…。ごまかせないんですよね。


「ジャッカル君ね、誕生日なんだって」
「あら、今日?じゃあ誕生日デートなんだ」
「デートじゃないってば。…昨日初めて知ったから、プレゼント用意できなくて。一緒に選べたらなって思って…」
「…いいんじゃない?きっと喜んでくれるわね」


微笑みながら話を聞いてくれるお母さんに気恥ずかしさを感じていると、これなんかいいんじゃない?と洋服を選び始めた。…いや、まあお母さんセンスいいから構わないんですけどね。


「お化粧とかしちゃう?」
「え、しなくていいよ。中学生なんだし…」
「今時みんなしてるわよー?そうだ、髪もいじらせてね」
「…お母さん面白がってない?」
「んー…というより、こうやって娘にコーディネートするのが楽しいの。それを見てくれる人がいるなんて、もっと嬉しいじゃない?」


…改めて、心配かけてきたんだなあって思いますね。ジャッカル君と仲良くなって、私だけじゃなくてお母さん達も嬉しそうなんですよね。


「朝ご飯できたぞーって、何やってんの?」
「あ、お父さん。…ねえお父さん、男の人ってどこで買い物するの?」
「は!?」
「何貰ったら喜ぶのかなあ…?」
「ちょ、母さん!?紗弥何言ってるの!?そんなに可愛すぎるくらい可愛い格好してこの子はどこに行くの!?」
「あなた鬱陶しいわよ?ジャッカル君とデートなんですって。いいわよねえ」
「デ、デート!?ちょ、お父さん許さないよ!?」
「違うってば…」


本当に朝から元気な両親ですね。私の後ろでは私の髪をいじるお母さん、私の前では私の肩を揺するお父さん。

…揺らしすぎですよ。



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