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「…誕生日？」
11月２日。朝のＨＲ前にクラスの女の子達と話していると、何故かキラキラとした目で告げられた言葉。
「そう!明日ジャッカル誕生日なんだよ!」
「そうなんだ…。知らなかったとか、友達なのにひどいよね…。プレゼントあげたかったなあ」
６ヶ月以上一緒にいるのに、誕生日も知らないなんて友達失格ですよね…。
そんなことを考えて落ち込んでいると、みんななぜか笑顔でこっちを見ている。…え、なんですか？
「渡せばいいじゃん、プレゼント!」
「え？でも何も持ってきてないよ？４日じゃ誕生日過ぎちゃうし…」
「何言ってんの、プレゼントなんて当日渡さなきゃ意味ないでしょう？」
当日？当日って…。
「でも明日は祝日だから学校お休みだよ？」
「だからいいんじゃない!一緒に遊びに行って、プレゼント一緒に選んで一番いいものあげれるでしょ？」
な、なるほど…。でも、学校お休みの日に友達と会うなんてこの世界で初めてだから緊張するんですが…。
「決まりだね!ちゃんと誘うんだよー？」
そう言って去って行ったみんなを見送りながら、休みの日に友達を誘う方法を必死に思い出した。
「ジャッカル君、あ、あのね？ちょっといい、かな？」
いつも通りジャッカル君とちーちゃんと３人で過ごす昼休み。午前の授業の時間を全部使って考えても、誘い方なんて思い出せなかった。
ただ遊びに行くならまだしも、いきなり誕生日に遊びに誘うなんてハードルが高すぎますってば。
「ん？どうかしたか？」
「えっと…、あ、明日って部活あるの？」
「部活か？一応引退してるから参加は自由だな」
「そ、そっか…」
つまり部活は休める…ってことなんですかね？じゃあやっぱり誘わないと…。
「…明日なんかあるのか？」
「えっ!?」
誕生日だからって、言っていいのかな。サプライズにする必要はないけど、気を遣わせたくはないよね。…わかんないですよ。
「…か、買い物に」
「ん？」
「ひ、暇だったらでいいの!もし暇だったら…、買い物に、着いてきてくれませんか…？」
ジャッカル君が少し驚いているのがわかる。けど、久しぶりに振り絞った勇気でそれどころじゃありませんでした。
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