05


「白神さん。これ、俺からのクリスマスプレゼント」


美味しい料理とケーキを食べて落ち着いてきた頃、不意に幸村君から言われた言葉に固まった。

…幸村君、すっごい綺麗な笑顔ですね。って、そうじゃなくて、


「…え?」
「よかったら貰ってくれないかな?」
「だ、だめだよ!?貰えない!!こんなに色々してもらったのに…」
「そんなこと言わないで?白神さんのために用意したんだ。貰ってくれないと無駄になっちゃう」


悲しそうに笑う幸村君に耐え切れず、綺麗に包装されたプレゼントを受け取る。


「う、わあ…。綺麗…」
「俺が一番好きな画集なんだ。俺の好きなものを白神さんが好きになってくれたら嬉しいなあって思って」
「ありがとう、幸村君。大切にするね」


顔を少し赤らめて笑う幸村君は本当に綺麗だと思う。そんなことを考えていると、隣にいた丸井君が紙袋を差し出してきた。


「紗弥!俺もプレゼント!特製のお菓子なんだよ。食べてくれるだろぃ?」
「も、もうケーキたくさん食べさせてもらったよ?」
「それは別!これは、紗弥のためだけに作ったんだぜぃ?」


ニコッと笑う丸井君から紙袋を受け取ると、お店で見るような綺麗なお菓子が詰め合わせてあった。


「ありがとう、丸井君」
「紗弥せんぱーい!!俺からもプレゼントッス!!」
「あ、赤也君も?」


はいっ、と言って差し出されたのは何枚かのカードがリボンによって束ねられたもの。


「…“俺とテニスができるカード”…?」
「はい!!紗弥先輩が呼び出してくれたらいつでも飛んで行くんで!!」
「おいおい赤也、そりゃないだろ」
「う、だって急に決まったから小遣いなくて!!」
「お前、自分が紗弥とテニスしたいだけだろぃ!?」
「赤也のテニスは危ないから、白神さんとなんてさせられないなあ」


どんどん小さくなっていく赤也君が可愛くて思わず笑ってしまう。


「赤也君、すっごく嬉しい。今度テニス教えてね?」
「…!!はい!!」



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