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「え、これ丸井君が作ったの!?」
目の前に並べられた豪華な料理と大きなケーキに驚いている紗弥に、ケーキを作ったのがブン太だと教えると紗弥は目を見開いた。
「ケーキだけだけどよぃ、味はしっかり保証済みだからいっぱい食ってな?」
「すごい…、丸井君ってお菓子作り上手なんだね!」
目を輝かせて笑顔でブン太を見つめる紗弥を見て、他の連中の機嫌が一気に悪くなったのがわかる。ブン太に至っては顔を真っ赤にさせて固まってしまいその状況に気付いていない。
(…なんで俺がこの状況を心配しなきゃいけないんだ)
「紗弥、ケーキは後で食うんだし、先に料理食おうぜ。何か食べたいもんあるか?」
「えっと…、…すごい豪華だね。全部美味しそう…」
「ああ、これ柳と柳生が頼んでくれたんだよ、な?」
少しずつ全員の機嫌を取り戻そうと、柳達の話題を振ってみると2人はピクリと反応した。
「そうなんだ…、私何もしてなくてごめんね?」
「白神さんが謝ることは何一つありませんよ。我々が無理を言って誘ったのですから」
「そうだな。それに…、謝罪よりも喜んでくれた方が嬉しい」
「あ、そうだよね…。えっと、ありがとう」
顔を綻ばせた紗弥に柳達は視線を逸らし、また他の奴らの機嫌が悪くなる。
「紗弥先輩っ!!俺!!俺も頑張って部室片付けたっス!!」
「え?…あはは、だからこんなに綺麗なんだね」
赤也は耐え切れずに自分から主張しに行った。ほんと、逞しいな。
「ジャッカルー…、俺らも褒められることなんか伝えんしゃい」
「は、はあ?」
「みんなばっかりずるいよね。俺らのいいとこも伝えてよ」
…なぜそれを俺に言うんだ。
というか、ひとつ言わせてくれ。お前らは実際何もしてないだろうが!!
そう思ってうなだれていると、紗弥がこちらに向かってやってきた。
「幸村君も、仁王君も真田君も、誘ってくれて本当にありがとう!」
たった一言でこの面倒な奴らを喜ばせる紗弥は本当にすごいと思う。そして、一気に機嫌がよくなるお前らは単純すぎるだろ。
「ジャッカル君。ジャッカル君のおかげですごく楽しいクリスマスになるね!」
そんなことを笑顔で言われて喜ぶ俺も、きっと単純なんだけどな。
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