03
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(なんで反応ないんだろう…?)
テニス部の部室をノックして暫くたった。
話し声は聞こえるから、ここであってるんだよね…?
ノックの音が聞こえなかったのかな…?
もう一度ノックしてみようかと手をドアに近付けた瞬間、
バンッッ
「わ…っ!!びっくりした…」
突然開いたドアに驚いて固まっていると、目の前で真田君が顔を真っ赤にして申し訳なさそうにしていた。
「あ、えっと…真田君、大丈夫?」
「あ、ああ。驚かせてすまない」
「全然大丈夫だから気にしないで、ね?」
真田君に笑いかけて部室の方を見ると、全員がこちらを向いていてまた緊張感が襲ってきた。
「えっと…、メリー、クリスマス…?」
なんで疑問形なのかなんて聞かないでください。私もわかんないです。
だってこんな場面でなんて言えばいいかなんてわかんないんですよ。
どうしようもなくて曖昧に笑っちゃったけど、大丈夫だったんでしょうか。
――――――――――
--幸村side--
やばい。なにがやばいかわかんないくらいやばい。
白神さんを驚かせるなんて真田は何を考えてるの?って言いたかったけど、それ以上に白神さんの破壊力がやばい。
『えっと…、メリー、クリスマス…?』
って首を傾げながら微笑むってもう可愛すぎるんだけど。全員固まってるじゃん。
白神さんがこの空間にいるだけで、いつものむさ苦しい部室がこんなに澄んだ場所になるの?
「…あー、紗弥。とりあえず座るか?」
「ありがとう、ジャッカル君」
ジャッカルの言葉に安心したように微笑むなんて、ジャッカルは本当にずるいよね。
でもまあ、白神さんを困らせたくはないから許してあげる。
人生で一番幸せなクリスマスになりそうだ。
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