いつまでも (206ページ)
僕達、いや名前は小さくなっていく土方さんと千鶴ちゃんの背中を見つめていた。そして・・・
『行っちゃいましたね』
もう何も見えなくなってしまった。その瞳は寂しそうな表情を浮かべている。
『・・・ありがとうございました。総司さん』
「何のこと?」
恥ずかしくって僕は誤魔化すけれど、名前にはばれているみたいで。
『総司さんのおかげですよね。おかげで楽しかったです』
「そう?なら良かった。感謝を伝えたいなら体で表してくれると嬉しいなぁ」
自らの唇を指して接吻をねだる。この子はなかなか照れてしまって自分からしないからなぁ。新選組にいた頃なんて自ら晒姿になるくらいの子だったのに。
『総司さん』
ぐいっと襟元を捕まれて名前との距離が近づき―――ちゅぅと軽い接吻を交わした。いつもなら僕はそこからさらに深くを求めるのだけれど今日は不意打ちで。すぐに離れてしまった唇が名残惜しく感じた。