いつまでも (204ページ)
翌日、私は朝早く目覚めた。ここの水を飲み始めてから陽も大して痛いと感じなくなっていたし、朝は別に苦手じゃなくなっていた。昼頃眠くなる時はあるけれど。
『・・・ずっと守ってあげられなくてごめんね』
隣ですやすやと眠る千鶴に謝る。命ある限り守るって決めたのに。私は結局泣かせてしまった。そっと手を伸ばし頭を撫でる。髪を掬っていると障子に誰かの影が映る。もう気配を感じ取ることはできなくなってしまっていた。
「名前、起きてる?」
『総司さん』
その影は総司さんで、一応遠慮しているのか障子越しの会話だ。私は千鶴が起きないように注意しながらも寝巻きから着替え、布団を畳む。そしてそっとその部屋から抜け出した。
『どうしたのですか、総司さん』
「ん、今はこのままで」
総司さんのいる庭までいくと急に抱きしめられる。何かあったのだろうか。私も腕を回し総司さんを抱く。私たちはしばらく抱き合っていたのだけれど、そろそろ千鶴たちが起きる時間だ。
『総司さん、私、朝餉の準備しないと』
「仕方ないなぁ」
土方さんのためだと思うと癪だけど仕方ないかな?なんていいながら私は解放され、台所へと向かった。