いつまでも (196ページ)
「ねぇ何時まで”沖田さん”なの?名前で呼んでほしいんだけど」
子供のような拗ねたような表情で唐突に言われた。
「僕は少し前から名前って呼び捨てなのに」
そうは言われても。癖でもあるし、何より恥ずかしいのだ。
「ねぇ?名前」
呼んでほしい、と首をかしげて名前との距離を近づける。段々顔が迫ってきて、もう鼻と鼻が触れてしまいそうな距離だ。
『・・・じ、さん』
名前はもうそれに耐えられずに名を呼ぶ。だけど彼は意地悪そうに笑って、よく聞こえなかった。もう一回。と言う。
『・・・総司さん!』
今度は絶対に聞こえるであろう音量で言った。なのに。
「聞こえなかった。もう一回」
頬が軽く赤く染まっているというのに。聞こえていないというはずがない。
『耳が真っ赤ですよ?総司さん』
そう言うと沖田の顔は耳まで赤くなり掌で彼自身の顔を隠す。
「っ〜、これから沖田さんって言ったらお仕置きだからね」