決着 (187ページ)
『ハァハァ、ハァ・・・がはっ』
ピチャ…と地面に血を吐く。頬や腕、足には斬り傷の治り跡。そして肩で呼吸しながら息を整える。
「残念。変若水じゃ労咳は治らないからな。・・・一つ、教えてやるよ。ここの水は羅刹の衝動を抑える効果がある」
『な、ぜ、それ・・・を?』
「んー、ただの気分かな?嘘かもしれないけど」
咳き込みながらも懸命に先輩に右手の刀を向け、左の刀で襲ってくる羅刹たちを斬っていく。陽の光で苦しく、喉も胸も痛い。必死に立って刀を斬る。
どっくん、どっくんと心臓が激しく脈打った。まずいと頭の中で警鐘が鳴る。
『ぅ、ぁ・・・ぅ』
ヒュー、ヒューと細い呼吸。喉が渇いてしまってかなり痛んでしまっている。グサッ―――集中が切れてしまい、横腹に刀が刺さる。その刀を無理矢理抜いて相手を斬り殺す。
駄目だ。血が、ほしい。血がほしいという欲望を抑えきれずに私は手で腹から出る血を取り、ぺろりと舐め取る。
『・・・もっと』
まだ、足りない。自らの傷はもう治ってしまった。血がまだ欲しいのだ。
『もっと寄越せ』