決着 (184ページ)
『・・・この辺りです』
新選組を抜け、北上してから早数日。私達が辿り着いた先は廃墟となった村だった。焼け落ちた跡の家に草が茫々と茂っている家。小さな村だけれど確かに人が住んでいた形跡はある。この辺りから薫の匂いが強烈にするのだ。そして、元主人の香りも。
『どこに隠れてるのでしょうか』
「ここだよ」
一軒の焼け落ちた家の柱から出てくる。それはもちろん南雲薫だけではない。名前の元主人、そして
『先輩・・・』
「久しぶりだね」
私に全てを教えてくれた先輩。
弱い子たちはなるべく庇わなければ殺されてしまう。あまり自我を持ちすぎると苦しいことになる。笑って。笑うんだ。この子達はお前の笑顔が好きだったのだから。一瞬で殺してあげるのが優しさだ。
先輩に言われた言葉が木魂する。そんな私に気付いた沖田さんは手を重ねてきた。暖かさが手を通じて体まで通り、おかげで落ち着いた。そんな私達を忌々しそうに彼ら三人は見つめていた。