力の代償  (106ページ)

名前は一瞬で戦場から屯所へと駆け抜けた。



「お前か」

『風間千景。何の御用ですか?』

「ふん、自分が守れる以上の広さのものを守ろうとするから綻びができるのだ。邪魔なお前を殺しに来た」



やっぱり結界は完全じゃなかったか。俺の鬼の力にも限界がある。純粋な鬼ならともかく俺には人間の血も流れている。そりゃ風間みたいな純血に勝てるはずがない。



『うるさい!』



キンッ―カンカン…風間と名前の刀が激しくぶつかり合う。



『っ〜!』

「ほう、鬼と化したか。ならば俺も鬼と化してやろう」



力が足りず名前は鬼化したのだが、風間にも鬼化されてしまった。白い髪、黄金の瞳、額から伸びる角。もはや人間が入る隙などどこにもない。


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