第二衝突 【17ページ】
翌朝、名前はいつもの時間に目が覚めた。いつもの時間というのは朝、ロードワークへ行く時間。帰ってきて、シャワーを浴びた頃に絵麻が作った朝食が完成する。
彼女は中学生の頃から毎日必ずロードワークをしていた。だが今日は病み上がりということで止めておく。部活でいつもより泳げばいいと簡単なストレッチをして時間を過ごした。
『おはようございます』
「おはようございます。もう調子は大丈夫なのですか?」
『はい。ご心配おかけしました』
リビングへでると朝食の準備をしている右京が。そしてテーブルにはお味噌汁や卵焼きが用意されている。
『すごい、これ全部右京さんが?』
「はい。炊事は私の役目なので」
『何かお手伝いすることはありますか?』
「そうですね…。家はお寝坊さんが多いので。今日は六膳よそってもらえますか?」
『分かりました』
男所帯では必要ないであろう桃色の茶碗と黄色の茶碗は名前と絵麻のものだろう。他が誰の茶碗か分からなかった為、右京に尋ねようとしたところ気の利いた右京が先にこれは誰の分だと教えてくれた。それに量も。朝食の準備が丁度終わったとき、絵麻が上から階段を降りてきた。
「おはよう、お姉ちゃん。おはようございます右京さん」
『おはよ、絵麻』
「おはようございます」
そしてその後ろには。
「おはよう、おねえちゃん」
『おはよう、弥君』
「嬉しいなぁ。今日からおねえちゃんたちも一緒なんだね」
笑顔をこちらに向ける弥君。やっぱりこの子は可愛らしい。その後、侑介と昴兄さんがリビングへやってきた。
「珍しいですね、侑介が朝食に降りてくるだなんて」
「たまには、な」
そっぽを向きながら侑介は答えた。
『そういえば侑介は毎日遅刻ぎりぎりだったよね』
一年生のときは少なくとも私より早く来ているところを見た事ない。基本的に朝練のない私は絵麻と一緒に登校しているから登校する時間は皆と一緒だ。比較的朝の早い学生組が始めに食事を取るようで。仕事が不定期な椿兄さんと梓兄さんも一緒のことがあるようだ。
『「「いただきます」」』
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