第五衝突 【129ページ】

短い春休みを終え、私達は最高学年である三年生と進学していた。



『あーあ。やっぱり絵麻とは同じクラスになれないか』

「仕方ないよお姉ちゃん」

『侑介でさえ絵麻と同じクラスなのに!!』



昨年度同様、絵麻と侑介、それからまほちゃんに和馬は同じクラスだ。ただ私だけが違うクラス。そんな会話をしていた時、校門の方が何やら騒がしくなる。何を隠そう今日は入学式なのだ。



『ん?何だろ?』

「すごい騒ぎだね。本当、何だろう?」



けれどもそんな疑問はすぐに吹き飛んだ。なぜならその元凶が私達の元へとやって来たのだから。



「風斗君!?」

『な、何で風斗がここに!?』

「よろしくお願いします先輩」



驚く私達をよそに彼はテレビで観るような貼り付けた笑顔で挨拶してきた。嘘でしょ。風斗が私達の後輩になるなんて。芸能人が行くような高校に行くと思っていたから、かなり驚いた。彼はそのまま入学式が行われる体育館の中へと入って行ったのだけれど。私達2人は呆然としていた。



『驚いた。まさか風斗がここに入学してくるなんて』

「賑やかな高校生活になりそうだね」



あの様子だと侑介も知らないのだろう。知ったら発狂でもしそうだし。相性悪いよね、あの2人。…何事もなく一年間過ごせますように。そう祈らずにはいられなかった。
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