第四衝突 【86ページ】
絵麻と夜通しで棗兄さんからもらったゲームの試作品をしていた。まだ絵麻は棗兄さんと会ったことはなく、彼のことが気になるらしい。まぁ、キョーダイになったんだもんね。
「お姉ちゃん、棗兄さんってどんな人?」
『んー、ちょっとぶっきらぼうだけど優しい人かな。あと梓兄さんと椿兄さんと一緒にいたら不憫な人』
嘘は言っていない。夏休みの時に見ててそう思った。
『さ、ゲームしよう』
絵麻の部屋でゲームする。私の部屋にもテレビはあるものの、絵麻の部屋のものの方が画面が大きい。どうやらゲームは戦車を乗り換えながらゾンビ溢れる戦場を生き残るゲームらしくて。中から椿さんと梓さんの声が聞こえてくる。
「何か分からないけど、ゾンビゲームで感動するなんて」
『ほんとにね。やっぱり椿兄さんも梓兄さんもすごいなぁ』
そんな感じで2人でプレイしていったのだけれど。
『やっぱり無理ー』
「砂漠エリア何度やっても全滅しちゃうね」
『うん。明日にでも棗兄さんに相談してみる。絵麻も会う?』
「明日は図書館で勉強したいから…」
『そっか。頑張って』
ゲームはするものの、ここまで勉強するのはえらいと思う。私とは違うわぁ。さすが絵麻。
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