第四衝突 【82ページ】

すばちゃんの誕生日会も終えて、俺達は未成年組を追い出し、飲み会を始めていた。初めてお酒を飲むすばちゃんは、もう結構酔っちゃってて、つばちゃんもそれなりに酔ってしまっていた。あーちゃんも俺も酔っていたことにより、彼女達を傷つけてしまうだなんて思ってなかったんだ。



「昴ー、妹のこと気になっちゃってるんじゃないのかー?ケーキ作ってもらっただけで真っ赤になってたし」



すばちゃんをつばちゃんがからかいだす。そういう展開だろうとは思ってたし、酷くなったらあーちゃんが止めるだろうと思って俺はただ傍観していた。



「なっ、そんなことない!」

「じゃあさ、昴はあの子たちのことどう思ってるわけー?」

「どうって…」

「やっぱり言えないんじゃないー」



その時、上から人の気配がした。誰かは分からなかったけれどそろそろ止めないとと思ったのだけれど、つばちゃんもすばちゃんもあーちゃんも気づいていないみたいですばちゃんは言ってしまった。



「はっきり言って迷惑なんだよ!!ずっと男だけでやってきたのにあいつがやってきてから風呂も気を遣うし、トレーニング後も裸でいられないし!!」



パタパタと走り去っていく足音と聞こえてきた絵麻、という声。つばちゃんたちも気づいたみたいだ。4人そろって階段を上っていくと、名前ちゃんが立っていた。



『昴兄さん、私はいいから早く絵麻に謝ってきてください。椿兄さんも。梓兄さん、椿兄さんが余計なことを言わないように付いていってください』



一瞬だけ目が合ったような気がしたけれど、すぐにそらされてしまう。嫌なこと聞かせちゃったし、当然かもしれないけれど。感情の見えない声で言って、すばちゃんとつばちゃんは妹ちゃんの元へ行く。



「ごめんね。本心じゃないんだよ。椿にからかわれて勢いで言っただけだから」

『梓兄さんは悪くないでしょ?だから私はいいから早く行ってください』



あーちゃんだけは謝っていたけれど、貼り付けたような笑顔を向けて彼女は言い放った。あーちゃんも何も言えなくなってしまって後ろ髪引かれるような表情でつばちゃんたちの後を追った。

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