第三衝突 【69ページ】

2日目もパーカーは一応着ていたけれど、恥ずかしさはもう大してなかった。



『侑介ー、昴兄さんー!あっちの岩まで勝負ね!!』



2人の腕を掴んで海へと入る。パーカーを脱いだ時、眼を細めたように見えたけど、太陽の明るさでかな?



『よーいっ、どん!!』

「あ、ずりーぞ!!名前!!」

「ちょ、ちょっと待て!」



いつもほどのスピードじゃないけれど、それなりの速さで泳いでいく。けれど。



『2人とも速い……!』



朝日奈家はスポーツ万能なのか。運度部には入っていないものの、足は速いし、持久力もそこそこある侑介。昴兄さんもバスケしているから運動神経はいいんだろうし。この兄弟に弱点とかないのかな。あ、この2人はピュアすぎるっていうのがあるか。素直すぎるっていうか。椿兄さんはよくからかってるもんね。綺麗な海を満喫するように沢山泳いだ。
海から上がれば。弥君が足元に抱きついてくる。



「おねーちゃん!ビーチバレーしよっ?」

『うん、もちろん』



弥君とビーチバレーをしていれば他の兄弟たちも集まってきて。いつの間にか全員集合していた。



「第一回朝日奈家ビーチバレー勝負!!」



そして訳の分からないものが始まった。もちろん言い出したのは椿兄さん。要兄さんもそれに乗って、梓兄さんも右京兄さんも諦めたみたいだ。



『よろしく雅臣兄さん、侑介』



人数が多いため、くじ引きで公平に3人でチームを組むことに。私のチームはこの2人。雅臣兄さんはよく分からないけれど、侑介の運動神経は頼れるものだろう。



「なんで俺のチームに妹いないんだよ〜」



「つっくん文句言わないのー」

「つば兄、弥に言われてるぞ」



椿兄さん、精神年齢弥君以下?弥君っていうハンデあるけど、昴兄さんがいるしいい感じにバランス取れてる?



「あーちゃん、るーちゃんよろしくね」

「よろしく要兄さん、琉生」

「よろしく、ね。2人、とも」



要兄さんと梓兄さんと琉生兄さんが一緒のチームか。このチームが一番弱そう。部屋の中にいるイメージが強いし。そして残りは言わずもがな右京兄さん、祈織兄さん、絵麻のチーム。このチームも弱い部類に入りそうだ。
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