第三衝突 【64ページ】

結局、私達の水泳部は他県の水泳部に負けてしまいメドレーリレーは2位という結果になった。高校生になって初めて全国区のメダルを手にした瞬間だった。そして私は、優秀選手賞というものを貰い、フリーが2枚、メドレーが1枚、リレーが1枚、そして優秀選手賞が1枚で合計5枚の賞状を持ち帰ることとなった。3位内には入れたのはメドレーリレーだけだったけど、よく頑張ったよね、うん。

家に帰ったらびっくりした。だってリビングの扉を開けた途端にクラッカーの音が鳴り響いたのだから。



「「「おめでとう!!」」」



「すげーじゃん名前!」

「名前ちゃん、本当すごかったよ」



『ありがとうございますっ』




感激だ。すごく嬉しい。今だけはぎゅーっと抱きついてきた椿兄さんを許してあげようと思う。

その日の夕食は私の好成績を称える、ということでパーティーとなった。



「あだ名ちゃん。髪、整えて、あげる」

『ありがとう、琉生兄さん』



いつの間にか仕事から帰ってきた琉生兄さんがいて。髪の毛を綺麗に整えてもらう。



「…髪、痛んでる、ね。今度、いい、トリートメント、教えて、あげる」

『うん、ありがとう』



水泳をしていると、どうしても髪は塩素で痛んでしまう。元は絵麻と同じ髪質でも、私の髪はかなり傷ついている。だから短くしている、っていうのもあるのだけど。絵麻ほど長くしてしまえば、たちまち枝毛が増えてしまうから。



「名前かーいー★ちょーかーいー!!」

「本当だ、すごく可愛いよ」



髪をセットしてもらえば、すぐに椿兄さんと梓兄さんに見つかった。格好は一応、絵麻に服を借りているし、髪を整えたからそれなりに見えるのだろう。



「ほら、今日の主役なんだから早く」



やっぱりいいなぁ、家族って。この家は少々騒がしすぎるけれど。でもいいよね。みんなでわいわいお祝いしたり。お父さんとも思い出もたくさんあるけれど、にぎやかな家庭ってやっぱりいいなって思う。
|
[Back][Top]
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -