第三衝突 【60ページ】

今日は関東大会。これに勝ち残れれば、全国大会へと駒を進めることができる。



『行ってきます!!』



いつもよりも気合を入れて、学校へ向かい、そこからバスで移動する。



『うわー…』



やっぱり関東大会だけあって、大会場所はかなりの大きさだ。今日は絵麻も応援に来てくれるって言っていた。うん、頑張るぞー!!力を注入しなおしたところでアップを始めた。



「―次はバッタ100mです。選手の方は並んでください―」



アナウンスが会場に響き渡る。もう順番かなんて思いながらコースに立つ。すると大声で名前を呼ばれた。



「名前ー!!」



このよく通る声は椿兄さんだ。どうして椿兄さんがと思って声のした方を振り向くと、そこには椿兄さん以外にも雅臣兄さんに梓兄さん、琉生兄さんまでいる。真ん中には絵麻が恥ずかしそうに笑っていて、遠慮がちに手を振っているので私も振り返す。



「頑張れよー、名前!!」



家族が応援に来てくれるなんて恥ずかしくて、でも嬉しいな。パンッとゴーグルの紐を思い切り引っ張って離す。うん、いい締め付け感だ。ピーッと鳴る音を聞きながら私は水の中へと飛び込んだだ。
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