第三衝突 【57ページ】



「心配掛けて本当にごめんなさい」



一番に絵麻が口を開き、頭を下げる。皆の顔はとても穏やかで。



「おかえり」

「お帰りなさい」

「お、お帰り」

「心配したんだからな本当」



家にいる兄弟たち皆が集まって私達を出迎えてくれた。あぁ、何て優しいんだろうこの人たちは。そんな私達に向かって弥君は走ってきて、絵麻の元にしがみついた。



「心配かけたお返し覚悟しておいてね?えへへー、ふーたんからだよ」



いたずらっ子のような表情を浮かべる弥君。びっくりしたぁ。何だ、朝日奈風斗の言葉だったか。そんな弥君を雅臣兄さんが止める。



「さ、弥それくらいにして」

「はーい」



何か静かだなと思えば、朝日奈家の問題児たちがいないことに気づく。仕事かな?忙しそうにしてるもんね。



「疲れてない?」

「少し休まれては如何ですか?夕食は私が作りますので」

「いえ大丈夫です。作らせてください」



絵麻が頑張ったのだろう、夕食はいつもより豪華だった。そして夕食後、皆に話したのだった。私達が養女だと言うことを。私も絵麻も心の整理はできていたから。でも返された返事は暖かくて、朝日奈家がキョーダイとなってくれてよかったと思った。

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