第三衝突 【46ページ】
はぁ〜、いいお湯だった。お風呂が大好きな私にとってここの風呂場は広くて大満足だ。
『牛乳牛乳…って、あ』
脱衣所に置いてある簡易冷蔵庫にお風呂上り用の牛乳を放っておいたはずなのにきれいさっぱりなくなってしまっていた。お風呂上りは牛乳って決めてるのに。仕方ない、台所にとりに行こうかな。暑かったから私は下にズボンだけ履いて脱衣所を出た。
『…ぷはぁ』
やっぱこれだね。お風呂上りの牛乳最高!!たとえおっさんだと言われ様ともやめられない。コップ洗っておかないと、と振り向いたときだった。リビングのドアがガチャ…と音を鳴らして開いたのだ。
「…なっ!?お、お前」
真っ赤な顔でこちらを指差し、空いている掌で顔を隠している。
「ふ、服を着ろっ!!」
『うわっ!?』
昴兄さんにタオルを投げつけられた。確かに上は何も着ていないけど私は気にしていない。どうせ首からかかっているバスタオルのおかげで見えていないだろうし。さすがに真っ赤なままなのは可哀想に思えてソファに投げ捨てられていた服を仕方なく着る。その間、ずっと昴兄さんはそっぽを向いていた。
『もう大丈夫だよー、昴兄さん』
そうして昴兄さんの説教が始まる。だいたいはお前、女だっていう自覚はあるのか?!的な感じのことだった。半分くらい聞き流してたけど。だって暑いんだもん。
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