第三衝突 【45ページ】

家に帰るとリビングで椿兄さんに抱きつかれる。



「名前っ、おっめでとー★」

「おめでとう名前ちゃん」

「おめでとうございます」



どうして何も言う前に知っているのか。よくよく聞けば雅臣兄さんが時間のある時に見に来ていたらしい。あぁ、だから知っているのね。皆からのお祝いの言葉をもらいながらそんなことを考える。



『ありがとうございます。いい加減離してくれませんか、椿兄さん』



いつものストッパー、梓兄さんがいないため離れようとしない。仕方なく私は右京兄さんにヘルプを求めた。要兄さんを止めてくれる右京兄さんだからきっと大丈夫なはず。予想通り彼は私にへばりついていた椿兄さんを引き離してくれた。そんなことをしているうちに絵麻が帰ってきた。



『お帰り絵麻!!』

「ただいま。お姉ちゃん、どうだった?」

『無事に県大会出場決定!』

「おめでとう、お姉ちゃん!!」



ぎゅっと絵麻と抱きしめ合う。うん、やっぱりこれが一番落ち着く。

夕食は絵麻と右京兄さんがはりきってくれたようで私の好きなもののオンパレードだった。
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