第三衝突 【44ページ】
朝はいつも通りに振舞っていても、会場に着けばやっぱり緊張するもので。やばい…!この感じワクワクする…!!パンッと力を入れるように両手で顔を叩く。大丈夫。いつも通りやればいい。泳ぐことを楽しめばいい。
「日向ー、次、バッタだぞ」
『はいっ』
ジャージから水着へと着替えて。軽くウォーミングアップを済ませればもう順番だ。
スタート台の先に脚の指を引っ掛けて笛の合図と同時に体を後方に引き、弾みをつけて飛び出した。水に抗うな。しなやかに進め。気持ちよく進めばいい。
『はぁ、はぁ、はぁ…』
ツンと指先が壁に触れ、ゴールしたことを知らせる。電光掲示板を見てみれば日向名前1位と書いてある。タイムも問題なし。これなら県大会に出ることは確実だ。
そんな感じでフリーの100も200も、翌日のメドレーも無事に県大会への出場が決まった。
≪ | ≫
[Back][Top]