第二衝突 【36ページ】
…なるほどね。だから落ち込んでいたわけだ。話を聞いて納得した。けれど一つ感じたことがある。
「それって君じゃなくて彼女の方が悪くない?」
絵麻の方が我侭を言っているようにしか思えなかった。
『ううん。私が悪いんです。私が絵麻を甘やかしすぎたから…。お姉ちゃんだからしっかり妹を守らないと、と甘やかしてきたから仕方ないんです』
「そんなこと…」
『お父さんが家にいない方が多かったから。必死に絵麻に窮屈をさせないようしたんです』
確かに彼女の性格的に守ってもらうよりも守る方があっている気がするけれど。それでもまだ小さな子が他の誰かを守るだなんて無茶に決まっているし、そんな頃から守られていたとするならば守られていることさえ知らない可能性がある。
「何にせよ話し合うことが必要だね」
『…ですよね』
「うん。きちんと君達が話し合って解決すべきだと思う」
僕らを挟んでしまったらその方が話がやっかいになるだろう。椿だったら入りたがるだろうけれど、これは姉妹の問題だ。
『梓兄さん、ありがとう。お邪魔しました』
フラフラと立ち上がり彼女は部屋を去って行った。心配だったけれど、これ以上話に突っ込むわけにもいかず名前が次に見るときは笑顔であることを祈った。
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