第二衝突 【34ページ】

珍しく仕事が早く終わり、リビングより自室へ行こうとエレベーターを降りた僕は驚いた。妹が自身の部屋の前のドアにもたれ掛かりながら座り込んでいたのを見たからだ。顔はつっぷしていてよく分からないけれど、何かあったのだろう。



「名前?どうかしたの?」

『…梓兄さん。お帰りなさい』

「ねぇ本当に大丈夫?」

『………大丈夫ですよ』

「全然大丈夫に見えないよ。何があったの?僕でよければ話を聞くよ」


コクンと頷いて彼女は僕に促されるがまま部屋へと入った。



『お邪魔、します』

「好きなところに座って。飲み物は紅茶でいい?」

『はい』



ずっと未だに下を向いている名前を心配しながらも僕は紅茶を用意する。どうしたんだろう。彼女がこんなに落ち込んでいるなんて珍しい。下に座り込んでいる彼女の目の前に座り目線を合わせた。

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