第二衝突 【31ページ】
「お前、頑張ってるな」
『昴兄さん』
トレーニングの休憩中に昴兄さんに離しかけられる。昴兄さんとは早朝のランニングによって結構話すようになっていた。
『テスト前なんですよね、今。だから部活がない分、家で動いてないと体力って簡単に落ちちゃいますから』
「あぁ。よく分かってるな」
『それに昴兄さんから許可も貰えましたしね』
このトレーニングルームは昴兄さん用だったらしい。けれど私もトレーニングしたいと言ってみたら意外と簡単に許可してもらえたのだ。
「競技は違っても、お互いスポーツ選手だろ」
『ありがとう昴兄さん』
その頃、絵麻が朝日奈風斗と大変なことになっているだなんて知らなかった。それを助けたのが偶然侑介だったということも。
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