第二衝突 【28ページ】

あー、暇だ。テストが明日に迫るとみんな真面目に勉強をし始めるから遊ぶ相手が限られてくる。私の仲のいい友達では勉強しないのは侑介くらいで、3日連続で侑介とゲーセンで遊んだものの、もう飽きた。和馬も和馬で赤点とったらコーチに殺されるから!とか言って逃げちゃうし。提出しないといけない課題は終わったし、本格的にすることがなくなってきた。



『あ”〜』



暑いし暇だし、イライラする。なんかこうスカっとすることないかな。喉渇いたと台所で冷水を飲んでいたら弥君がやってきた。



「おねーちゃん!一緒に遊ぼっ!!」

『あー、うん。いいよ。何して遊ぶ?』

「んーっとね…」



そんな会話をしているうちに雅臣兄さんがリビングへとやってきた。



「こら弥。 宿題が終わらせてからにしなさい」

「えー」

『じゃあ弥君。勝負しよっか。ゲームで私が勝ったら勉強する。それでいい?』

「じゃあ僕が勝ったら僕の言うことおねーたん聞いてくれる?まーくんそれでいい?」

「仕方ないなぁ、今日だけだからね。ごめんね名前」

『大丈夫ですよ』



ということで弥君とテレビゲームをすることに決まった。弥君が選んだゲームはマリモカート。キャラクターを選んでカーとレースで競うゲームだ。絵麻はゾンビを倒すゲームをよくするので得意ゲームとは言えないけれどそれなりにゲームは何でもできる。



『…っよし!!』



相手が弥君だということをすっかり忘れて本気を出してしまった私。1位でゴールしてから思い出した。



「わぁぁぁん、負けたぁ〜。おねーちゃんもう一回!」

『もう一回?負けないよ〜』



雅臣兄さんとの約束をも忘れて私たちはゲームに没頭した。



「おねーちゃん、強いよ〜」

『絵麻に鍛えられてるからね。そう簡単には負けないよ?』



ずっと私は弥君に勝ち続けていた。少しは手を抜いてあげないと、と思うんだけどレースが始まればすぐにそんなことは忘れてしまっていた。



『よーし…あぁっ!?』

「へっへーん♪やったぁ!!勝った!!」



つい油断していたところを弥君に抜かされてしまう。そしてそのまま先にゴールされてしまった。



『あーあ。…あ、そろそろ弥君、宿題しよっか?今回は私が負けちゃったけど、それまでは弥君が負けてたし。私へのお願い、一つ叶えてあげるから考えておいてね』

「うん!」

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