第二衝突 【24ページ】

最近私は部活のため、帰宅時間がかなり遅くなっていた。大会も近づいてきて、皆ピリピリしており緊張感が湧き出ている。



『ただいまー、ってあれ。誰もいない』



いつもは誰か帰ればいるのだけれど、今日はリビングに明かりがついていなくて。忙しいんだなと他人事のように思う。手馴れた手つきでレンジで温めて夕食を頂こうとした時だった。誰かがソファーで寝ているのに気づいたのは。



『えーっと、誰だっけ…何とかって言うアイドルの………あさ、浅、浅井風斗?』

「朝倉風斗。っていうかあんた誰?誰かの女?どうやって侵入したかしらないけど、こんなことしていいと思ってるの?」



…前、テレビで視た時とは感じる印象が違うんですけど。この子最悪なんですけど。



『私は名前。あなたたちと兄弟となった姉よ』

「あぁ、美和の再婚相手の子供か」



生意気だな。ジロジロと人を観察するように見つめてきて悪寒が走る。



「ふぅん、あんたがね。それなりに可愛いけれど頭わるそうだね。っつーか馬鹿だろ」

『失礼な。アンタよりは少なくともマシよ』

「……へぇ。さっきの奴よりは頭は悪くなさそうだね。じゃあねお姉さん」



さっさと四も五も言わずに去ってしまった朝倉風斗、改め朝日奈風斗。あの子は大人ぶっている、ということでいいのだろうか。芸能界は私が思っているよりも大変なのかもしれない。…眠っていたのに電気をつけて覗き込んで起こしちゃったのは悪かったかな。けどこんなところで寝てるほうが悪いよね。



『…さっきの奴ってやっぱり絵麻のことかな』



多分というか絶対そうだろう。あの子はきっと言われっ放しになっちゃたんだろうなぁ。慰めに行かないととリビングを出ようとした時、ぐぅ〜っと盛大なお腹の音がなる。



『うん、ごめん絵麻』



お腹すいた。先に夕食を食べさせて。
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