第二衝突 【22ページ】

車で20分くらいで目的地にたどり着いた。



「ここだったら沢山の雑貨屋が並んでるし、いいと思うよ。洋服屋さんもたくさんあるしね」



今日見に来たのは細かい雑貨だけだけど、絵麻は洋服も見たいだろうし。



『絵麻、とりあえず雑貨見て後で服屋行こっか?』

「うんっ」



どうせ私の買う服はスポーツ用品店だけど。たまには見て回るのもいいかな。





お昼頃には欲しかった雑貨は買えていた。



「腹へったー。なぁ、何か食おうぜ」

「そうですね。何にしますか?」

「僕は何でもいいよ」

『私もなんでもー』



とりあえず食べれるものなら何でもいいし。結局椿兄さんが有名だからとパスタ屋に決定した。



『ほら絵麻、あーん』

「あーん」



これが普通。私たち姉妹はよく食べさせあいっこをした。その癖が未だについていてよくこうして分け与えあっているんだ。



「ずるーい。名前、俺も俺もー★」



すると私の目の前に座っていた椿兄さんが反応した。ちなみに隣に絵麻、絵麻の正面には梓兄さんが座っている。



「椿、行儀悪いよ」

「だってだってー」

『うるさいです椿兄さん』



面倒なので多めにとったパスタを口の中へと捻り込む。そんな私を見て梓兄さんと絵麻は驚いていたけど。だってしょうがないじゃない。椿兄さん放っておいたら面倒だもん。



「ちょーうまい★サンキュー名前!」



はぁ、と誰にも気づかれないように小さくため息を吐く。席を少し外している間に椿兄さんと梓兄さんが会計を済ましていたみたいで、財布を出そうとしたところをとめられる。梓兄さん曰く、未成年の妹にお金を出させるわけには行かないからだって。ありがたく奢れておこう。



「じゃー、俺、ちょっと名前借りるね。梓は絵麻のことよろしくー★」

『へっ?ちょっ、椿兄さん…!?』



抵抗する間もなく私は椿兄さんに引っ張られていった。

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