第二衝突 【20ページ】
『ねー絵麻ー』
「どうしたのお姉ちゃん?」
『雑貨見に行かない?』
引越し荷物はすべて片付けた。けれど引越しにあわせて捨ててしまった小さな雑貨を未だに買っていなかった。
「うん!行く!!」
と話していたところに椿兄さんが入ってくる。
「何々ー?二人でどっか行くの?」
「椿さん。雑貨を見に行こうかと」
「俺らも行くー★なー梓」
「そうだね、車出すよ」
『でも…』
せっかくの休日なのにわざわざ車出してもらうのは躊躇ってしまう。
「大丈夫だよ。それにまだこの辺に慣れてないでしょ?僕たちでよかったら案内するよ」
『ありがとうございます』
…ということで四人で出かけることになりました。
「女の子は準備が必要でしょ?」
「30分後くらいに車出してくるねー★」
女子の準備にもきちんと配慮を欠かさない。何、この兄弟。本当デキ過ぎてて怖い。
せっかく待ってくれるならそれなりにオシャレしないといけないと思ってみても、名前は服を全然と言っていいほど持っていない。ジャージならたくさなるが。その為、ジャージでは行けないような場所に行く時は絵麻から借りるのだ。朝日奈家へ来るときも実は名前自身の服ではなかった。
『絵麻、服貸して?』
「もちろん」
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