第二衝突 【19ページ】





『すーばーる兄さんっ』

「うおっ!?…何だ、名前か」

『私も一緒に走ってもいいですか?まだこの辺り、覚えていなくて』



一人で走ろうと思っていたけれどこの辺には詳しくないし、下手に迷子になってしまっては困る。かといって同じような場所ばかり走るのもつまらない。どうしようか、と思っていたとき昴兄さんも走っているから一緒に走ればいいと助言してくれたのは右京兄さんだった。



「…あ、あぁ。いいぞ」

『ありがとうございます』



昴兄さんは不器用だけど優しくて。スーパーやデパート、文房具屋さんや雑貨屋さんなど目印となるものを教えてくれながら私のペースに合わせて走ってくれた。



『…はぁはぁ』

「大丈夫か?」

『は、はい』



悔しいな、昴兄さんは息一つ乱れてない。私は息を切らしているというのに。鍛え方が足りないのかな。明日から少しずつ距離を増やしていこう。
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