第五衝突 【181ページ】

バレンタインを終えて恋人となった私達。もともとスキンシップの激しかった椿兄さんだけど、さらに酷くなった気がする。スキンシップというよりセクハラのような気が…。

恋が成就してもしなくても、それまで家族として築いてきた関係が大きく変化することになる。それは、自分はもちろんその相手も、そしてまわりの兄弟たちにとっても、だ。この家に来た時からずっと、兄弟に、絵麻に、迷惑をかけたくないと強く願ってきた。恋に限らず、自分のあらゆる行動がその決意に反することになるならば、無理やりに通したいとは絶対に思わないと思っていたのに。



「名前っ〜★」

『わわっ!?椿兄さん、いきなり抱きつかないでよ』



彼の態度ですぐに兄弟達にはバレてしまった。雅臣兄さんは慌てだすし、右京兄さんは何やら小言を言ってくるし、要兄さんとその場に居合わせた光兄さんは面白そうに笑っていたし、琉生兄さんは本当?脅されてないよね?なんて心配してきてくれた。祈織兄さんにはおめでとう、という言葉をもらい、昴兄さんと侑介は顔を真っ赤に染めて何を言っているのか分からなくなっていたし、弥君は抱きついてきてぶーっと頬を膨らませ、お姉ちゃんは僕のだもん!って言うからつい私も弥君のものだよ!なんて言って、抱きしめたらものすごい嫉妬にあった。私の可愛い妹、絵麻はというと真っ赤に頬を染めながらおめでとうと言ってきた。

何だこれ、公開処刑?本当に色々恥ずかしくて死んじゃいそうなんですけど。

朝、どちらかが出かける時と夜に帰ってきたときは必ず椿兄さんは抱きしめてくる。しかも皆がいるリビングで。恥ずかしいけれど嬉しかった今日この頃。きっとこの時が一番幸せだった。
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