第五衝突 【164ページ】
最近、絵麻の調子が芳しくないと聞いた。成績が落ちてしまったらしい。このままでは明慈も危ないんだって。大丈夫かな。。。心配になった私は兄弟達に相談して、絵麻の好きな料理を作ることにした。みんな快く引き受けてくれて、あっという間に夕食が完成した。
「じゃあ僕、彼女を呼んでくるね」
『お願いします雅臣兄さん』
絵麻はやっぱり落ち込んでいる様子だった。でも誰でも受験前になると受験ブルーになるっていうじゃん?日々努力してる絵麻なら大丈夫だと思ってたんだけど。絵麻が部屋からリビングにやって来て、食卓に並べられたお皿を見て驚いた。秘密にしてたし。絵麻を元気付けるのが今回の目的だからね。そのまま食べ始めたのだけれど、やっぱり我慢できなかったみたいで弥君が零してしまった。
「あのね、お姉ちゃんをね元気付けるために皆で作ったんだ!」
慌てて正臣兄さんが弥君の口を塞ぐも、もう手遅れ。絵麻に聞かれてしまった。こうなっては隠す意味がないか。
『絵麻、最近成績が落ちたって落ち込んでたでしょう?だから私が皆に提案したんだ。絵麻を元気付けたいから手を貸してくれって。喜んで引き受けてくれた結果がこれ、なんだけど』
「ありがとうございます皆さん。お姉ちゃん」
『ん。絵麻が元気になってくれたみたいで良かった。受験が終わるまでは家事当番代わるから、何でも言ってね』
「うん。ありがとう!」
私も受験の時は絵麻にお世話になったし。これくらい軽いもんだ。絵麻にも侑介にも頑張ってほしいなぁ。
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