第五衝突 【161ページ】
「お姉ちゃん!」
あ、お弁当を忘れた。せっかく絵麻が作ってくれたのに。そう思っていたときだった。私を呼ぶ絵麻の声が聞こえたのだ。
「お弁当忘れてたでしょ。はい」
『ありがとう絵麻!助かった!!』
受け取ったのはいいものの、絵麻の手にはまだお弁当箱が2つある。
『あれ、これ侑介の?』
「うん。侑介君も忘れていったみたいで」
『じゃあ3人で食べよっか』
どうせだし。侑介も一緒に入れてあげよう。その方が絵麻も侑介も喜ぶだろうし。侑介は食べるどころじゃなくなっちゃいそうだけどさ。
『ゆーすけー!屋上でご飯食べよ!!』
天然なわが妹に刺激された侑介は真っ赤な顔のままご飯を胃へと流し込んでいた。
「楽しいね、お姉ちゃん」
『そうだね。絵麻』
楽しい昼休みを終え、私達はそれぞれ教室へと戻った。…こういう時違うクラスだと寂しいんだよね。
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