第五衝突 【157ページ】
高校生最大のイベントともいえる文化祭が終わり、推薦を受ける私は受験目前だ。
『お父さんお母さん、これでよかったんだよね…?』
一人で墓の前に立つ私。皆、いや、絵麻に話してからは少なくとも一人で来たことなんてなかった。過去を話してから一人で始めてやって来た。何となく独りになって考えたかった。
『上手くいくように祈っててね』
受験のことだけじゃなくて。新しい家族のことも。絵麻にも言い寄っている人は少なからずいるみたいだし、彼女は戸惑っているみたいだ。私はなるべく早く返事をするようにしているのだけれど。それが私なりの優しさ。ノーと返事しても言い寄る人はいるけどね。
『ばいばい。また来るね。お父さんお母さん』
真っ暗になるまでに帰らないと。それに早く寝て明日の受験に備えたい。
その日の夕食はトンカツで。どうやら受験に”勝つ”をかけているらしい。ありがたいよ、うん。朝食には重過ぎるし。おいしく頂きました。
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