第五衝突 【142ページ】

絵麻と侑介は三者面談を終え、二人は明慈大学商学部に進路を決定したらしい。一方の私は悩んでいた。



『進学先どうしよう』



推薦はいくらか来た。ソコから選べばいいのだろうけど。絵麻と同じ明慈にしようと思っていた。実際、明慈からも推薦は来た。けれど。



『自分が成長するためには城智大学の方がいいと思うんだよね』



どちらの学校にも見学に行った。その感想が上の通りだ。設備やコーチ、全てにおいて明慈より城智の方が上だった。言うならば完璧に設備の整った学校とそれなりの施設の整った学校。どちらが良いかは一目瞭然だった。



『絵麻と別々の大学かぁ』



もしも城智大学への進学を決めれば絵麻と初めて違う学校に通うことになる。今までそんな長い間絵麻と離れたことはなかったし不安しかない。



「まだ起きてたのですか?」

『右京兄さん。少し、考え込んじゃって』

「おや、進路のことですか?」

『…まぁ、はい』

「悩むのもいいですが、きちんと寝てくださいね。健康を害してしまえばそれこそ本末転倒ですから」

『はい。おやすみなさい、右京兄さん』

「えぇ。おやすみなさい」



私の三者面談は明後日の予定だからそれまでに決めておかなければならない。あー…どうしよっかなぁ。
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