第五衝突 【140ページ】
家に帰ると本日は盛大にお祝いしなくてはいけませんね、と右京兄さんが張り切ってくれて。かーなーり豪勢で美味しそうなものばかりが食卓に並んでいる。
「名前〜おっめでとー★」
「おめでとう。よく頑張ったね」
「名前ちゃん。おめでとう」
「ゆ、優勝おめでとう」
「おめでとう名前ちゃん」
「あだ名ちゃん、おめでとう」
「お姉ちゃんおめでとう!!」
優勝祝賀会がその夜開かれた。私は祝いの言葉を貰いながら、どんどんとお皿におかずが盛られていく。これ美味しいよ、これも美味しいから食べてみなって。皆にお祝いを言われ終えた頃には山盛りに詰まれたお皿を両手に抱えていた。
『…ん、美味しい』
こうして騒ぐのは好きだ。絵麻もちゃんと輪の中に入れているし。兄弟達はさりげなく私達が中に入れるように誘導してくれる。
「おいおい主役が一人で何してんだよー?」
『椿兄さん。ちょっと疲れたの。今日はありがとう。部屋で休んでくるね』
さすがに今日は疲れた。明日は部活の方でもお祝いがあるし。でもそれが終わってしまえば引退だ。一応文化祭の手伝いとして何かするくらいだもんなー。そう思うと三年間ってすごく短かった。あっという間に過ぎてしまったという感覚だ。
私は疲れからか、ベッドにもぐりこんですぐに眠ってしまった。
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