第四衝突 【127ページ】

今日は侑介の誕生日。いつも不憫な彼に今日くらいはいい思いをさせてあげようと私は絵麻に侑介と出かけてくるように言っておいたからか、朝から2人で出かけているようだ。



「あれー、今日は名前だけなんだー?」

『うん。侑介の誕生日だし。たまにはいい思いさせてあげないと可哀想じゃん?』

「ずっるいずっるいー俺も妹とデートしーたーいー」

「椿、これから仕事でしょ」

「あずさぁ〜」

「はいはい。僕も同じ現場だから一緒に行こうね」



この2人、前に私に告白してきたけど、本当に私のことが好きなのかと思う。だってお互いにお互いがいればいいって感じじゃない?とりあえず面倒だから早く仕事に行ってきてください。



『行ってらっしゃい。2人とも気をつけてね』



急かすために言ったのだけれど、逆効果だったらしい。椿兄さんなんか満面の笑みで抱きついてきた。



「もう一回!もう一回言って名前!!そうしてくれたら俺、ちょーやる気でるかも!!」

「僕ももう一度聞きたいかな」



何が2人の心に響いたのかは知らないが言うまで話してくれなさそうな雰囲気だったので、諦めることとした。



『…言ってらっしゃい。気をつけてね』

「うんっ★俺、ちょー頑張ってくんね★」

「ありがとう、僕も頑張ってくるよ」



ハイテンションな人を相手にするのって疲れる。。。




夕方ごろ帰ってきた侑介は嬉しそうな顔をしていた。絵麻は絵麻で楽しかったようだし、成功したのかな。椿兄さんは相変わらず煩かったけど。
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