第四衝突 【125ページ】
学校から帰ったら驚いた。テーブルにいくつものケーキが置いてあったから。
『何々?今日、何かあった?』
「お姉ちゃん。今日は3月3日。雛祭りだよ」
あぁ。女の子の日ね、と気付く。ということはもしかしてこのケーキたちは…。
「僕達から名前ちゃんと彼女へのケーキなんだけど…」
ケーキの数は12個。棗兄さんと光兄さんがいるところを見て、彼らもケーキを買ってきたのだろう。兄弟が全員揃っているから1個足りないのは弥君の分かな。
「全員が同じことを思っていたんだよね」
絵麻はこれを全部食べるのかと青ざめちゃってるし。うん、これは甘党の私でもキツイ。色々な種類なだけましなのかもしれないけれど。
『えっと、皆で食べましょう?少しずつ分ければいいじゃないですか』
「えー。名前には俺のだけ食べてほーしーい」
何で面倒なことを言うんだこの5男は。
『でも私、全種類食べたいし。でも全部食べたら太っちゃいそうだし。ねぇ駄目かな椿兄さん』
「ぐっ…」
彼には上目遣いのウインクが効果的だという事に気が付いてからはよくこうするようにしている。お兄ちゃんと言うよりはまだ恥ずかしくない。
「…分かったよ」
『ありがとう椿兄さん』
そうしてキョーダイ全員分に分けたケーキはそれぞれ一口分くらいになって。何とか美味しくいただける量になりました。
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