第四衝突 【95ページ】

あ、やばい。学校に着いてから気がついた。今日の世界史忘れたー!!授業変更になったの忘れてた。うぅ…世界史の先生って厳しいんだよね。教科書忘れましたって言ったら雷が落ちることは目に見えている。



『絵麻、いるー?』

「ひななら職員室に行ったよ」

『あちゃ〜。そっかぁ、ありがとうまほちゃん』



絵麻の教室へ行ってみれば、絵麻の親友、まほちゃんが返事してくれる。彼女は私の唯一の女友達なのかもしれない。どうしようかな。絵麻から借りれないなんて。そんな時に侑介が目の前を通った。



『侑介!世界史貸して!!』



先生は忘れ物に厳しい。それだけじゃなくて居眠りにも厳しい。だから世界史の授業は必死に起きている。

…暇。長々と説明される言葉を聞いていれば眠くなると思う。誰でも。だから私は必死にペンを動かした。



『侑介、ありがとね』

「おお…って何だよこれ!?」

『えー?眠たかった、から?』



返した教科書を開いて侑介は驚く。まぁ、そうだろうなー。侑介の教科書にハゲがいなくなったわけだし。



『あははははーごめんってー』

「ごめんで済む問題かよ!?」



休み時間は怒ってくる侑介から逃げ回った。足と体力には自信があるから追いつかれることはなかったけど。

あ、あの子。ノートの山に埋もれててかなり危ない。誰か手伝ってあげなよね、男子。ひょいっと半分以上を軽々と持ち上げる。女の子にこんな重いの持たせるってどうなの先生。



『職員室だよね?私も丁度用事があったんだ。一緒に行こっか』

「あ、ありがとう名前君」



その子と話しながら職員室へ向かう。って言っても特に用はないんだけど。



『先生ー持ってきましたー』

「おーありがとな。って日向?」

『こんな量、女の子に持たせちゃ駄目ですよー』



若い先生なんかはほとんど友達みたいな感覚だ。あ、おじいちゃん先生とかも結構仲いいよ?堅苦しい先生は苦手だけど。



「悪い悪い。ありがとな二人とも」

『成績アップ期待してまーす』

「あはははは…」

『冗談ですって』



んー、でも本当成績上げないとなぁ。そろそろ進路考え始めないといけないし。水泳で推薦をもらえると思うけど、希望のとこからもらえるかは分からないし。



『………』



頭が痛い。
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