▼as until now
気持ちを伝えようと決心した途端、失恋なんて笑えるわ。というか笑い飛ばさないと泣いてしまう。
私たちの始まりからおかしかったじゃないか。セフレから始まって、義理の家族となって、でも行為を続けて。何もかもがおかしかったのだ。恋人でない私には文句を言う資格がない。彼女とどんな関係なのかなんて。
身体だけは今のような状態でも繋げてくる。ねぇ、私はどうしたらいいのかな。
私は特別だって思ってた。家族になったから一緒に暮らすようになったのかもしれないけれど、光に一番近い女子は私だと思ってた。それは自惚れだったんだ。私が想い焦がれてた人の隣にはもう他の女の子で埋まってしまっていた。
『・・・さいあく』
知らなかった。というか彼女がいるなら私、邪魔なんじゃ。いや、私が仕事のときに連れ込むからいいのかな。間違って最中に会ったら最悪なんだけど。どうしてくれんだ。やっぱり出て行ったほうがいいのかな。義理とはいえ家族となったから住ませてくれてるだけ?いや、住まされているというのが正しいんだけど。
私はその日から荷物を少しずつ纏めるようになった。とはいっても元から私の荷物は少ない。ばれないように上手くするだけ。仕事の時に部屋の中に入られないようにしておくだけだ。
こそっと抜け出すのは簡単だった。こそっと、というより仕事に行ってきます、と今まで通り出るついでに荷物を持って家を出るだけ。楽勝。
『あーあ。どうしようかなぁ。・・・あ、そうだ』
今までの携帯は電源を切って仕事場に置きっぱなしにしておいて。新しく購入した携帯を持ち歩く。アドレス帳はコピーしてある。以前のものでは光に何かされてたみたいだし。だから他の人と抱かれたのにバレたのだろう。
光の家、は使えなくなってしまった。かといってマンションに帰るのも遠慮したい。漫喫か誰か引っ掛けるか。・・・どちらにせよ面倒だなぁ。
あ、あの人にしようかな。うーん・・・光のほうが格好いいな。あの人は・・・駄目。光のほうがお金だしそう。・・・ばかじゃん私。なんで光と比較してるの。終わったのだから忘れないと。
『お兄さん、今夜空いてる?』
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