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結局優勝商品は生徒会で使用したもの何かになるらしい。
なんでもいいから持ってこいと言われたけれど、なんで使用済?
副会長が使った何かならまだ分かるけれど、俺のものなんてゴミになるだけじゃねぇか。
仕方なしに着なくなった服や小物などを掘り返した。
***
「じゃあー、出たい種目に手ェあげてくださーい」
ただいまホームルーム。
昨日生徒会で決めたあれやこれやが体育委員に回ったらしい。
正直運動は好きじゃない。足引っ張るのもいやだし、補欠とかでいいのにな。
「怜、なんにする?」
「んー……俺なぁんにもできないから余り物でいいよっ」
剛にそういうと、剛はそうか、と頷いて
「じゃあ俺も空いてるとこでいい」
といった。
「ええっ!!剛バスケでしょお?」
「べつにめちゃくちゃ出来るって訳じゃねえし、怜と一緒がいい」
そう普通に言ってこられるとなんだか照れてしまう。それよりも、俺に合わせる必要なんか無いのに。
「剛、どうせやるなら好きなの出た方がいいよー?」
「じゃあ怜もバスケに出て」
「……俺多分全然出来ないよー?」
中学のころは体育は3以上はとったことがない。
授業への取り組みが消極的だとかでよくしかられ、大抵は2が付いていた。
水泳もクロール25mが精一杯。ましてや7分間コートで走り回るバスケなんて、途中で力尽きるのが目に見えている。
クラスもなかなか皆やる気だし、俺はドッヂで一番に当たって外野でボール拾いが似合ってるだろ。
そんな俺を尻目に剛は「大丈夫だって、フォローするから」と笑顔。
そこまで言われると断りづらくて仕方なく首を立てに振る。
一応ベンチもいるみたいだから、出来るだけ出る回数は少なくしてもらおう。
「二人はバスケにでるのっ??」
クラスメイトたちが俺と剛を囲むようにやってきた。
「うんー、いちおーねっ」
「応援するからねー!!」
みんなが見に行くとか頑張れとか言ってくれるのはありがたい。
ただ、「僕、自分の球技をほったらかしても見に行くよ!」
というのは大層困る。
穴埋めは全部体育委員なんだから、それだけはやめてあげてくれ。
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