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その後、これ以上修斗とのことで閉口するのはいやだったから剛に殆ど全てを明かすことにした。
馴れ初めと付き合った期間、入学式に初めて修斗がいると知ったこと。
この前剛たちが追い出された生徒会室で、俺と修斗の間になにがあったか。



「……怒った…?」

「怒ってないよ」


剛の顔を恐る恐る覗き込むと、剛は困ったような顔をして笑った。


「怜がそんなに俺に気を使うのは、さっき俺が冷たくしたせい?」

「そんなっ、」

「ほんとさっきのは怜が悪いんじゃねーから。会長との間になんかあるんだろーっていうのは分かってたし」



そう言われ、驚きで目を開いた。言った覚えはないのに。


「な、なんでーっ!?」

「怜、顔にすぐ出るもんだから」



「入学したての頃はアイツを見かけては顔色悪くしてたからな」と、笑いながら言われてしまった。
なんだよそれ、恥ずかしいったらない…気づいてくれていたならいっそ聞いてくれれば。
なんて思ったけれど、そうなればきっと俺は当惑していたに違いない。



恥ずかしさで、「あー…うぁー……そぉなんだあ……」なんて意味の分からない返答をした。



「……まあでも、」

「え…?」


「まさか昔付き合ってたってのは想定外だったからさ」

「…ごめんっ………」



チクリと胸が痛む。そりゃそうだよな。



「てっきり昔怜がイジメられでもしてたのかと思ってたから、ちょっと嫉妬しただけ」

「しっ、と………?…イジメって、そんな風に見えてたの?」

「怜があからさまに避けるし、なんかビビってたから」

「ううっ………まあ、…そっかあ……」



そう見られても仕方がないか、と今気づく。
修斗いかついしな。

……実際は、ケンカはするけど弱いものイジメは絶対しないし、あんなナリでも電車で婆さんに席を譲ったりもする。


「………っ、なに…」

なんで庇ってんだ。
いくら老人にやさしくても、お前がされたことを思い出せ。
昔にトリップする頭をブンブンと振る。
修斗がさっきなにを言おうとしたかも、どうでもいいだろ。




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