三人のXXX
それからは酷かった。私が達して、椿くんもそれを追うように達して。椿くんおものが抜けたと思えば口内にいた梓くんのものが挿ってきて。汗とか涎とか体液まみれの痺れきった身体。もう力が入らない。
くてっとしていたら椿くんと梓くんが丁寧に後処理をしてくれた。簡単に体を拭いてくれて、ベッドの下に落ちていたシャツを着せてくれて。至れり尽くせり。
「瑠華、どーだった?ハジメテの経験は」
『………ぅん、よかったよ。2人が初めてで良かった』
「それは光栄だね」
喉が渇いたとベッドの横に置いてある水のペットボトルを取ろうとする。だけど私が伸ばした手より先に椿くんが取ってしまった。あ、と思っていれば椿くんは水を口に含んだまま私に唇を開けろと責める。おとなしく開けば椿くんの口から直接水が流れ込んできた。
「瑠華さ、それで覚えてんの?」
『…何のこと?』
「誤魔化すんだ?」
『そういうわけじゃない、けど』
私はまだその覚悟がないというか。2人のことは好きだ。でもその好きは異性としてというより家族愛に近い。義理とは言え兄妹になったから。椿くんと梓くんから今ままでアピールが全くなかったわけじゃない。ただ私が本気じゃないと思って適当に躱していただけ。そっちの方が都合が良かった。卑怯なのは分かっているけれど、どちらかを選ぶなんてできない。
『2人のことは好きだよ。でも恋愛感情かって言われると違うと思う。だから2人と付き合うって考えたことない』
イケメン好きなんで顔は大好きですけど!性格はちょっと面倒なところがあるけれど、顔も声もスタイルも良い二人のことだ。私なんかよりお似合いの女性が絶対にいる。
私はまぁ処女を貰ってもらえただけで満足だ。十分だ。私は平凡な人間なのだからこれ以上望んではいけない。
「身体から〜って言うのもいいんじゃね?」
「本当は選んでほしいけど一先ず休戦かな」
え、あの、ちょっと。嫌な予感がしてベッドから逃げようとしたけれど、慣れない行為の痛みでうまく動けず簡単に押し戻された。
「「快楽漬けって言うのも悪くないよね」」
ファンに向ける笑顔じゃなくて、とても悪い表情で。私はごくりと唾を呑み込んだ。
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