役割分担
梓くんの舌が私の口内を好き勝手に暴れる。歯裏をなぞったり舌を絡め合ったり。うまく呼吸ができなくて息が苦しい。だって彼氏がいたって言っても、ちょっとしたデートとか、手を繋ぐとか、触れるだけのキスだとか。だいたいそんな感じで終わっていた。だからこんなキスに慣れていない。どうしたら良いのか分からなくて口横から飲み込めなかった唾液が零れた。
「瑠華、こっちにも集中〜」
『ひゃ、っん!』
梓くんと口づけを交わしている間に、椿くんにシャツとキャミを脱がされていて。上半身に身に着けているのはブラだけという状態だった。その下着の上から胸の飾りを摘む椿くん。後ろから胸を持ち上げるように触ったり、軽く力を入れる彼の手によって形を変える乳房。柔けぇ、なんて言いながらパチンとホックを外した。
締め付けがなくなって肩から紐が落ちていく。私は咄嗟に両手で胸を抑えた。こんな明るいところで二人の前に曝け出すなんてやっぱり無理。両腕でしっかりガードしていれば無防備になった脇腹を椿くんが擽った。
『ちょ、つば、きくっ…やめっ…くすぐ、ったい!』
「あ、緊張解けた?」
「椿がっつきすぎ」
「梓だって余裕ないくせに〜」
右乳房は椿くんが、左乳房は梓くんが触る。チュッチュッと首筋に唇を落としながら後ろから起用に触る椿くん。対して梓くんは顔を近づけて胸の飾りを口に含んだ。
『ちょ、まっ…!』
待って駄目、なんて言う暇もなかった。赤ん坊みたいに吸われたり、舌でチロチロ舐められたり。私の口から出る声がそれがもう甘ったるくて信じられなかった。
どのくらい触っていたのだろう。溶けちゃうんじゃないかってくらい触られて。唾液で光る様が異様にえっちだった。
身体から力が抜けて後ろにいる椿くんにもたれ掛かる。はぁー、はぁー、とあがりきった息を整えようとするけれど、敏感になっている肌は二人に少し触れられただけで反応してしまう。
「瑠華、もう少しで胸だけでもイケそうだね」
「感度抜群じゃん。やっぱ元カレが下手すぎたんじゃね」
そろそろいいかな、なんて梓くんが呟いたと思ったら突然ガバッと足を開かされる。当然抵抗しようとしたけれど力が上手く入らないのと、そもそも男の力に敵うわけがないので、簡単に足を固定されてしまった。
「ここ、ズボンの上からも分かるくらい濡れてる」
まるでお漏らしをしたかのように股のところが染みている。それが何なのか察してしまって腕で顔を隠す。顔は真っ赤に染まっているはずだ。
梓くんは太ももを撫でて濡れている場所を箇所を擦る。そのまま上に移動してズボンのウエスト部分に手をかけた。押さえなきゃ、手でズボンを下ろされるのを阻止しようとしたけれど後ろから両胸の飾りを椿くんに摘まれて一瞬固まった隙にズボンどころかパンツまでもズリ下げられてしまった。
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