朝起きたらお隣さんがとなりで寝てたんですが



カーテンの隙間から差し込む光で目が冷めた。頭が痛い。昨日は入社祝いとかで飲みすぎた。今日も仕事だって言うのに。

少しずつ頭が覚醒してくる。…あれ、ここ私の言えじゃない。ここどこ!?私、酔っ払って知らない人に着いて行っちゃった!?血の気が引いていく。最悪だ。どうしよう。

目線を下に下げると一人分の膨らみが。相手だけ確認してすぐに家に帰ろう。早く帰って着替えて仕事に行かないと遅刻してしまう。最悪家に変えるのは諦めてもいい。

意を決して布団をめくる。そっと気づかれないようにすれば、そこにいたのはお隣さんである朝日奈さんだった。服は少し乱れていたけれど裸じゃないし、腰が痛いわけではない。多分ヤってない。大丈夫、うん………。お隣だったら言えで着替えることは十分に可能だな、なんて思いながらベッドをそっと出る。



『失礼しました………』



そのまま急いで自分の部屋に戻った。心臓はバクバク動いている。頭が痛いのも吹っ飛んだような気がする。昨夜何が会ったか覚えていない自分を殴りたい。飲み会が終わって丁度方向の同じだった同期と乗り合わせて…。そこからの記憶が曖昧だ。なんでお隣さんの部屋で寝ることになったのかなんて全然分からない。



「あの後、大丈夫だった?」

『大丈夫です!無事に家に帰れました』



出社後、先輩から声をかけられた。私のお世話係になった先輩はとても優しく素敵な方だ。わざわざ起きたらお隣さんの部屋でしたなんて馬鹿正直に言う必要はない。



「そう、なら良かった」



飲まされていたから心配だったの、なんて私が断れなかったのが悪いのに。大丈夫です!と力いっぱい答えた瞬間、頭が二日酔いだったことを思い出させるかのように痛くなって。頭を抱えた私に先輩は二日酔いに効く薬、気持ち程度だけどと付け足して錠剤を渡してくれた。




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