今日は非番だったから同じく暇していた名前を誘って町に出た。土方さんに報告しないといけないなんて言っていたけれど、そんなものは後回しで良いだろう。いつもいつも土方さんにこき使われているんだから。たまには名前もさぼらないと。

特に目的もなく歩いて、美味しそうな匂いにつられてお店に入って。簪や櫛の一つや二つ、欲しいと言えば買ってあげるのに名前は欲しがらない。非番であろうとも”男”でいないといけないことは分かっている。頭の中で分かってはいるんだけど。

丁度、鍛冶屋の前を通ったときに名前が思い出したかのように軽く笑みを零した。どうしたの、と聞いてみれば、以前、一君が千鶴ちゃんに刀の知識を披露していたとのこと。



『千鶴ちゃん、ぽかんって顔してて。一君はそれに気付かずにどんどん話を進めちゃってさ』

「刀のことになると本当に人格が変わるよね、一君って。普段はあまり話さないのに」

『そう言うところ可愛いと思うけど。平助と同じ最年少幹部なんだなって』

「じゃあ僕は?」

『総司はでかい子供でしょ。気分屋で猫みたいで図体の大きな子供』

「酷いなぁ。一君は可愛いなのに、僕は子供だなんて。傷ついたよ」



これはちゃんと癒やしてもらわないと、なんて言いながら名前の手を引く。強く握ったら潰れそうなくらい小さな柔らかな手。僕たち男の骨ばった手とは違う女の手。こんなにも違うというのに僕は名前が女だということは数年間気付けなかった。

名前を連れてきたのは出会茶屋。店の前に来たときは足を止めた名前だけれど、僕が気にせず中に入ったからか大人しく着いてきた。屯所じゃ声が漏れたら面倒だし、僕はこれでも新選組一番組組長で名前は新選組監察方。時間が合わないことだってよくあることだ。互いの非番が重なった今日の日を珍しいと言えるくらいには。

部屋に入って襖を閉めて後ろから抱きしめる。別に無理やりしたいわけじゃない。名前の反応から嫌そうだったらやめようと思ったけれど、どうやら恥ずかしいだけのようだ。そのまま敷かれてある布団に名前を押し倒せば目線が絡み合った。

口づけを交わしながら少しずつ脱がしていく。腰紐を解いて襟の合わせ目から手を入れて。晒に潰された乳房を開放してやれば、胸の飾りは既に勃っていて。僕はそれだけで気分を良くするのだ。



「あれ、名前も期待してた?まだ触ってないのに、此処、かなり濡れてる」

『ぬっ…!?そんなこと言わないで!恥ずかしい!』

「今からもっと恥ずかしいことするんだからいいじゃない」



名前は肌を見られることを嫌がる。恥ずかしさもあるみたいだけれど、一番の理由は綺麗な肌じゃないから、らしい。そこらの町娘と違って刀を振るっている以上生傷が絶えない。その傷一つ一つが新選組の為に追ったものだと思うと愛おしささえ浮かんでくるというのに。

あいにく僕はよく知りもしない町娘なんかより名前に触れていたいのだけれど、彼女はいつも気にしている。怪我しないように無茶しないでって思うけれど敵の懐に入り込むのが彼女の仕事だ。敵を欺いて情報を引き出す。もし何かあれば一番危険な任務。…なんて思考は名前から漏れた甘い声にかき消された。



『んっ、ふっ…ぁん、そ、じぃ……』

「なーに。きもちいい?」

『ん。………っあ、』



素直に頷いた名前が可愛くて。腟内に挿れた指で解しながら豆を弾く。行為をしている時の名前は割りと素直だ。快楽に弱くて僕に甘えてくる女の子。こんな名前を知っているのは僕だけなんだと思うと独占欲が満たされる。土方さんも一君も左之さんも知らない。僕だけの女の子。



「そろそろ挿れていい?」

『ぎゅってしながらがいい…』

「分かった」



上半身を前に倒して名前の手が首に回る。それを合図に蜜壺の入り口に擦り付けていた男根を少しずつ彼女の中に埋めていく。

温かく柔らかく締め付けてくる腟内。気持ちよくてすぐに出そうになってしまいそうになるのを耐えながら陰茎をすべて彼女の中へと収めた。



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