『総司。そろそろ起きろって』



もう朝餉の時間だよ、なんて名前が起こしに来る。今日は僕、非番でしょ。ゆっくり休ませてよ。身体を揺さぶろうと伸びて来た腕を捕まえて布団の中に引きずり込む。抵抗したって所詮は女の子。男の力に敵うはずがない。



「…もう少し、寝ようよ。夜勤だったから眠たいんだ」

『駄目だって。朝餉なくなっちゃうよ』

「んー…」



もそもそと動いて彼女の首筋に顔を埋める。何で僕たちと同じような生活を送っているはずなのに名前からは良い匂いがするのかな。女の子ってすごいよね。そんな彼女の男装に長い間見抜けなかった僕は随分間抜けみたい。

着物の合わせ目から手を入れる。咄嗟に僕の腕を掴んで止めようとするけれど力がイマイチ入っていない。簡単に背中まで回り込んだ手で彼女の胸元を抑える晒しを解きだす。



『ちょ、ちょっと総司!!』



本格的にやばいと名前は思い出したのか暴れるけれど、僕は片腕でがっちりと掴んでいるし逃げられないんだよね。ほら、このまま洒落込むのも面白いでしょ。

解けた晒しから乳房が曝される。片手で優しく触りながら、空いた手で名前の顎を掴む。唇を乱暴に奪えば、降参とでも言うように抵抗がなくなった。

舌を絡め合って、そろそろ下半身に手が伸びるといったところで襖が開く。目の前には鬼と化した土方さんがいた。その後ろには一君に平助、左之さんに新八さんまでいて。あーあ、もう、うるさいのが来ちゃったよ。



「総司てめぇ!!何してやがる!!」

「何ってなにですけど。ちょっと、僕の名前、見ないでください」



僕の身体で名前を隠す。名前は見られたのが余程ショックだったのか固まったままだ。少なくとも土方さんや左之さんは以前から知っていたのにね。

土方さんは深い皺を隠すこともなく僕を睨みつける。はいはい、僕が名前を引きずり込んじゃったからね。でも名前を寄越す土方さんも悪いと思うなぁ。かと言って男の呼び出しに応じる気はないし、千鶴ちゃんだったら寝たふりをかましてどうするか様子を伺うだろうけど。



「…朝から盛ってんじゃねぇ。発情期の犬か。さっさと着替えて出て来い」



大人しく広間に行く皆。気配が完全になくなってから名前を解放すれば、それはもう真っ赤な林檎みたいになっていた。



『もう総司を起こしに来ない………!さっきから押し付けるな!!』



そんな表情で睨んでも可愛いだけなのにね。仕方なく解放したけれど、やっぱりそのまま続けてた方が良かったかなぁ。



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