薄暗いフロアに爆音と観客の歓声が響き渡る。赤や黄色、紫の明かりがチカチカする照明の中、久しぶりに見る彼が楽しそうに笑う。皆の歓声を受けるボーカルの彼、沖田総司。総司君は私のことを見つけるとニヤリと笑った。

ここ一ヶ月ほどお互いの仕事が忙しくて会えなかった。特に私が締め切りギリギリで遅くまで会社にいたり、一週間の北海道出張があったり。いつも週末に会っていたからとても寂しかった。ライブが終わり、見知ったスタッフさんに控室まで連れて行ってもらう。そこは今までライブをしていた熱気が篭っていた。



「あ、名前ー!久しぶりじゃん」

『お疲れ様です。平助君。皆さんも』

「名前、久しいな。仕事は一段落着いたのか」

『斎藤君。うん、やっと落ち着いたんだよね』

「そうか。名前もおつかれさん」

『原田さんもお疲れ様です。皆さんのことはちゃんと情報入手してましたよー』

「流石だな、名前。っと総司がそろそろシャワーから出てくるから、あいつは名前に任せるぞ」

『土方さん。打ち上げとかは…』

「最近、総司の奴はお前不足みたいでな。名前を見たら打ち上げもクソもなくなるだろ。ま、頑張れよ」

『はぁ…』



確かに寂しかったけれども。バンド内公認ともあって気を遣ってくれるのは恥ずかしくもあり嬉しく思う。ところで頑張れってどういうことだろうか。そうこうしている間に総司君がシャワーから戻ってきて。ちょっと、上の服、ちゃんと着てきてください!もう。髪の毛も濡れてるし。適当に外に出られる格好になった総司君に私は連行された。後のことは頼みます、なんて言って。総司君、本当に打ち上げ行かなくて大丈夫?いい、いい。大丈夫だよ。

指を絡ませて歩く。いつもなら色々話してくれるのに、なぜか黙ったままの総司君。私の視線に気付いた総司君は腰を抱き寄せて体を密着させて口づける。私の唇を割って入り込む舌が熱くて驚いた。



「…ごめん、我慢できない」



そうして総司君は半ば私を抱えるようにして足早に歩き出し、ラブホテルへと入っていく。



『え、まって、もう少しで家…』

「無理。あそこで我慢しただけありがたく思ってよね」



部屋に入ると共に貪るようなキスが降ってくる。荒々しく服の中に入って来た手にあっという間にブラジャーを剥ぎ取られ、胸の形が変わるほどに激しく揉まれて。もうすでに敏感になっている胸の飾りをきゅっと掴まれた。やっとのことで離れた唇から酸素を必死に送り込む。肩を上下し呼吸を整えている私を軽々と持ち上げ、ベッド降ろした。



『総司くっ…』

「はい、ばんざーい」



言われるがままに両手を上げると着ていた服を全て脱がされ、ぽいっとベッドの下に捨てられた。おかげで無防備になった胸が露になり、慌てて両手で隠したのだけれどあっという間に総司君の腕に取られてしまった。



「こら。隠さないの」



片方の手で胸を揉みながら、指先で飾りを軽くつまんで。もう片方の胸の飾りを舌で弄ぶように転がされる。久しぶりの感覚に抑えの聞かない声が漏れる。



『あぁっ…ひゃ、ぁ、んっ……』



スカートの中に手を滑り込ませ、当然という風に下着の中に長い指を入れようとするのを腰を引いて阻止をする。



『お風呂っ、入って、ないっ…!』

「後で」

『でもっ、ひゃっ、ああっ』



力の抜けた一瞬で、ずるりと下着を剥ぎ取られた。抵抗する間もなく脚を広げられ、総司君はためらいもなく熱くなっている所をじゅるっと音を立てて吸う。わざと音を立てているのか、それとも私の愛液がそうさせるほど流れているのか、分からなかった。抵抗するように引いていた腰を力で引き寄せられ、さらけ出された突起を一気に攻め立てる。



『あっ、あっ、あっ…』



もう少しで達する、という所で止められて。自分でも驚くほど甘い声が漏れた。そうじぃ、と。はいはい、と返事をした総司は私の蜜壺に指を挿れる。初めは一本だけだった指もあっという間に三本まで増やされて。グチュグチュと厭らしい音を鳴らしながら自由気ままに動かされる。



「名前ちゃん、今日のライブで何考えてたの?」

『っはぁ、なに…っ?』

「今みたいな顔してたよ。僕、勃っちゃうかと思ったもん」



意地悪に口を三日月に歪ませて笑う。穏やかに話している声とは対象的に総司君の指はナカの弱い所を確実に攻め立てる。どこが良いのか、どの速さが良いのか全てを分かっている総司君に敵うわけがない。



「それに一ヶ月、長かったなー。最近なんて、名前ちゃんをめちゃくちゃにする事と、ここに入ることしか考えられなかったもん」



ぐっと総司君の熱く膨れたものが入り口に充てがわれ、これから訪れるであろう快感に身震いした。



「名前、ちゃんと声出して。途中でバテちゃっても止められるかわかんないから」



ぐっと圧迫され総司君の熱さと感触に頭が真っ白になってくる。シーツを握りしめていた手を解かされて、彼と手を握る。ふーっと総司君のものが全て入った時に呼吸を整える。いつもは私を待っていてくれるのに、今日は本当に余裕がなかったのだろう。ごめん、動くよ、とその言葉と同時に総司君は律動を始める。目尻にキスをしながら一際奥を突く。パンパンと肌がぶつかる音が耳に厭らしく響いて気持ちが高ぶる。打ち付ける速さを加速していく総司君の背中にしがみつくようにして波打つ快感を受け止める。



『総司っ、も、………イき、たっ…ぁんっ!!』

「いーよ。僕もっ…」



びくびくと跳ねる私の身体を更に抱きしめてから総司君が熱いものを放った。息を整えるのが精一杯で体を動かすことが出来ないでいる私を総司君が引き寄せる。



「疲れちゃった?でも、ごめん。名前ちゃんが足りない」



挿入されたままの熱棒がむくむくと大きくなる。ちょっと待って。もう無理だって。そんな私の思いとは裏腹にユルユルと動かしていく総司君。あ、駄目だこれ。止まらないやつだ。いや、大きくなっている時点で察しはついていたけれど。



『総司君っ……』

「うん、頑張って。まだまだ、だから」



総司君が解放してくれたのは結局、陽が上りきってからだった。




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